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上司と部下の間のコミュニケーションは下から上が原則【経営のヒント 807】

相互理解は、上へのコミュニケーションによって得られる。上司が耳を傾ける姿勢と部下の声が伝わる仕組みを必要とする。
『経営の真髄』<下>p.50

ドラッカーは、相互理解のための方法としてマネジメント・レターを紹介しました。レターの内容は、おおよそ以下のとおり、

  1. 部下が、上司が目標とすべきものと自分が目標とすべきものを書き出す
  2. 部下が、自分の目標に対して期待されている水準を書き出す
  3. 部下が、自分の目標達成のために行うべきことを書き出す
  4. 部下が、自分の目標達成のために障害を書き出す
  5. 部下が、上司と組織が行っていることのうち、助けになっていることを書き出す
  6. 部下が、上司と組織が行っていることのうち、障害になっていることを書き出す
  7. 部下が、自分の目達成のために、次の一年間に行うべきことを提案する
  8. 上司が、上記を受け入れられたとき「憲章」は発行される

「憲章」という表現は、最高位の行動規範と行動基準というような意味合いを含んでいます。

マネジメント・レターは、部下への要求の矛盾を明るみに出す効果があります。上司が知らず知らずに発している矛盾する一言が明らかになります。ドラッカー教授が挙げた例です。

  • スピードと品質のいずれかを選ばなければならないときに、両方を要求している
  • 主体的にやれと言いながら。いちいち文句をつける
  • 大がかりな設計変更を命じておきながら、次から次へと応急措置を命じる

マネジメント・レターのやり取りの過程で、再考、優先順位、妥協を通して間違った方向づけを回避する可能性が高まります。場合によっては、仕事のやり方を変えるべきかを教えることもあります。

いずれにしても上司と部下の間のコミュニケーションは下から上が原則だということです。間違った方向づけがなされない工夫が必要です。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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