自らに高い要求を課す【経営のヒント 809】
MBOのよるマネジメントは自己規律を要求する。自分に高い要求を課すことを強いる。
『経営の真髄』<下>p.52
ドラッカーは大胆な前提を掲げました。「MBOは、人というものが、責任、貢献、自己実現を欲する存在である」
もう一つの前提は、「人というものが、ほぼ期待されたとおりに行動することを知っている」というものです。
これらの前提に基づいてMBOはつくられていることを知っておくことは重要です。責任、貢献、自己実現どれも自己の中にあるエネルギーを取り出す重要なコンセプトです。
貢献とは、組織の外にある成果をあげるために何を為すべきかを考え、行動することです。また、責任とはなすべきことを為し、期待に応えることです。
自らに高い要求を課すことで貢献と責任の水準が日々高まります。その軌跡のことを自己成長といいます。人生という自己成長の節々で実感する確信、それを自己実現といいます。
MBOは、仕事をとおして人が成熟していくことを目的とした究極の方法なのです。ドラッカーはこれをマネジメントの哲学であると評しました。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)