企業とは何か【経営のヒント 244】
今日も『マネジメント―課題、責任、実践―』、第6章「企業とは何か」からです。この章は必読の章です。
今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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企業が存在しうるのは、変化を当然とする経済に
おいてのみである。そして企業こそ、成長と変化
のための機関である。
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『マネジメント』p.79 1973年 ダイヤモンド社より
変化の時代が続いています。ドラッカー博士が「断絶の時代」と表現した時代です。氏の予見では、あと10年から20年続きます。
この時代に多くの老舗企業が破綻しました。北海道でも地崎工業、丸井今井など名門企業が存在を許されませんでした。名前は残りましたが、事実上終焉しました。
これらの企業は、変化を当然とする時代にあって、成長と変化を成し遂げることが出来なかったと言わざるを得ません。そんな時代に必要な道具がイノベーションなのです。イノベーションとは、単なる改良や改善ではありません。それは「新しい欲求の満足をもたらす財とサービスの創造」だとドラッカー博士はいいます。
イノベーションは発明とは違います。技術革新でもありません。
新たな経済価値を生むためのあらゆる企業に必要な機能です。
経営資源に対し、より大きな富を生み出す新しい能力を付与します。
固定化された資源を解放し、新たな資源の結びつきを生み出します。
QBハウスという10分カット1000円という専門店をご存知でしょうか。
明らかに従来の理容業とは違います。時間を売り物にしています。
そのために髭剃り、シャンプーなど不要なものをカットしました。
切り髪くずを吸引するバキューム、待ち時間表示装置などを新たにプラスし、まったく異なる事業価値を生み出しました。技術革新ではなく既存のものの組み合わせで新しい価値を生み出したイノベーションの典型例です。
イノベーションは、企業存続の条件であるとともに、世の中の変化に対応し、世の中に価値を生み出す機能なのです。イノベーション力がないといっている場合ではありません。それは自らの存続に係わる問題だからです。イノベーションの基本原理を理解し、その方法を習得することで機会をつかむことが大切です。
先行き不透明な時代とは、昨日のルールが今日は通用しないという意味で変化の時代なのです。準備を怠らないものだけが機会を手にすることが出来ます。いち早くチャンスをつかみ、霧が晴れる頃にスタートダッシュできることが理想です。まずは「何が変化か」、一緒に考えてみませんか。
ナレッジプラザでは来年、変化の見方、機会のとらえ方、イノベーションの起こし方を研究する会(研究会)の開催を検討しています。
希望者があれば開催を検討しようと思います。希望者は是非ご連絡下さい。
佐藤 等