外に向けた感覚器官【経営のヒント 841】
今日データが最も求められているのが、外部の世界についてのものである。
『経営の真髄』<下>p.125
理由は、組織の成果は組織の外にあるからです。あらゆる組織は社会、経済、人間に貢献するための道具です。具体的には、道具が生み出す成果とは、顧客に起こる望ましい変化のことです。
売上高や利益ではありません。しかし組織が手にしているデータの多くはコストに関わるものです。それは努力の金額的な記録でしかありません。
「いかに効率がよくとも、馬車の鞭を生産していたのでは事業を継続することはできない。売れない設計をしていたのでは、いかに効率的な設計部門といえども価値はない」とドラッカーは言います。
顧客に必要とされているものは何か。顧客にとって価値は何か。最も求められているデータは、これらの断片を示すものです。目的を明らかにし、相応しいデータを集め、分析することが必要です。現代では、これらのデータはAIの登場により、これまでより集めやすくなったといえます。ドラッカーが「外に向けた感覚器官」と表現したセンサーを今こそ開発したいものです。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)