データは目的を明確にすることで「情報」になる ~経済性・意味性・適切性~【経営のヒント 843】
マネジメントの方向づけにおいて、データが有効であるには7つの仕様がある。経済性、意味性、適切性、精密性、適時性、単純性、実用性である。
『経営の真髄』<下>p.126
データは目的を明確にすることで「情報」になります。たとえば、仕訳データは利益を求めるという目的でデータを収集、整理してはじめて「決算書」という情報になります。
取引に関するすべての情報が仕訳データに反映されているわけではありません。「決算書」というゴールに向けて必要な要素がデータ化され、それを集計します。その意味でデータの仕様には「経済性(合理性)」がはたらいているといえます。
取引に関する情報といっても単価や数量に関するデータは「決算書」の作成においては不要です。それゆえ通常、仕訳データには反映されません。私たちは「意味性」という判断基準でデータの仕様を決めているのです。
会計では、売上データが集計されます。たとえば部門ごとに売上を集計している場合、部門を識別するデータを間違えて他部門に計上すれば、ドラッカーが言うように次のような事態に陥ります。「データが事象の構造を反映したものになっていないかぎり、マネジメントは知識を欠くだけではない。行動を誤る」。ゆえにデータは「適切性」な状態になっていなければなりません。適切性は、最重要のデータ仕様だといえましょう。
「精密性」、「適時性」、「単純性」、「実用性」については、次回とします。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)