データの目的は、情報収集ではなく行動である~単純性・実用性~【経営のヒント 845】
データの目的は、情報収集ではなく行動である。
『経営の真髄』<下>p.133
「マネジメントの方向づけにおいて、データが有効であるには7つの仕様がある。経済性、意味性、適切性、精密性、適時性、単純性、実用性である」とドラッカーは言います。
7つの仕様のうち前2回で経済性、意味性、適切性、精密性、適時性について触れました。今回は、「単純性」、「実用性」についてです。
単純性とは、処理プロセスを含めてデータによる管理自体が単純であることを指しています。もしこの過程が複雑だと人の意識は、データをとる対象ではなくデータをとる方法に意識が行ってしまうと警鐘を鳴らします。
冒頭の言葉は、実用性についてのものです。ここでいう行動とは検討や分析を含むものです。「何かわからないが、何かが起こっている。それが何であるかを知らなければならない」という気づきを促すものあってもよいといいます。
そのため報告、調査、数字などのデータとなるものはすべて、行動を起こしうる者のもとに到達することが求められます。そうでないデータは無意味です。なぜなら企業行動が変わる可能性がゼロだからです。逆にいえば、データは使う者のニーズに合っていなければ意味がないとも言えます。
企業行動が変わるということは、仕事が変わるということです。データは仕事の管理のためにあります。人の管理のためのものではないことは言うまでもありません。
データが有効であるための7つの仕様は示唆に富んでいます。見直してみるよい機会にしたいものです。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)