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最終章「結論:マネジメントの正当性」【経営のヒント 387】

『マネジメント』もいよいよ最終章です。
この章は「結論:マネジメントの正当性」というタイトルです。
61章も続いた後の結論に興味津々です。

<ドラッカーの一言>
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マネジメントは、組織が機能し、それぞれの使命を遂行
することを可能にする機関である。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
『マネジメント<下>』p.297 1973年 ダイヤモンド社

ドラッカー教授は『産業人の未来』(1942年)において
現代社会が商業社会から産業社会へと移行しつつあることを明らかにしました。
そして産業社会の代表的存在を株式会社形式の大会社であると指摘しました。

それから約30年後に著された本書『マネジメント』は、
その間に著された数々の著書の集大成の一冊でもあります。
とりわけ最終章である結論には、そのことが色濃く表れています。

この章の冒頭は「われわれの社会は組織社会になった。
現代社会の主な課題はすべて、組織によって遂行されている。
しかも、ほとんどの人が組織で働いている」で始まります。

現代社会は、商業社会から産業社会へ変貌し、
その主役である企業を中心とした組織の名前が冠され、
ドラッカー教授によって「組織社会」と呼ばれるようになりました。

教授は続けて「同時に、われわれの社会は知識社会となった。ますます多くの人が、
自らの知識を仕事に適用することによって生計を立てるようになった」と指摘しました。

知識社会の主役は、知識労働者です。

知識労働者の登場は、戦後メジャーな存在になった現代型の企業の登場から遅れること10数年、
1957年頃からこれまたドラッカー教授がコンセプト化し、1960年代には世に発信されるようになりました。

「この二つの発展には関係がある」と教授は明言します。
「知識によって生計を立てられるようになったのは組織社会になったからであり、
組織が存在し機能しうるようになったのは、多くの人が高度の学校教育を受けるようになったからである」と
両者が相互依存関係にあることを指摘しました。

組織社会では、マネジメントの人材は知識労働者であり、
マネジメント層の部下も多くの場合知識労働者です。
マネジメント層はもちろん、成果をあげることを期待している存在を
ドラッカー教授はとくにエグゼクティブであると定義しました。

成果をあげることは、組織存続の条件であり、組織社会発展の原動力です。
そのためにはマネジメントの第一の役割である社会における特有の役割、
使命を果たすことが求められます。そこに成果の源泉があるのです。

この章は10ページにも満たない小規模な章ですが、記述されていることは深淵です。
数回にわたって結論を探索していきましょう。

佐藤 等

 

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