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明日を支配するもの【経営のヒント 171】

今回も『明日を支配するもの』最終章、第6章からです。今日の一言からです。

<ドラッカーの一言>
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自らがどのような仕事の仕方を得意とするかは、とくに知識労働者にとっては、
強みと同じように重要な問題である。
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『明日を支配するもの』(ダイヤモンド社)より

強みの重要性については、前回を含め繰り返し述べてきました。それ以上といってもいいレベルで重要なこと、それが「仕事の仕方(ワークスタイル)」です。
具体的にドラッカー教授が複数の著書で述べたものをまとめると以下のようになります。

□仕事は、
A)朝がしやすいのか、
B)夜がしやすいのか

□文章を書く際、
A)下書きしてから書くのか、
B)じっくり完璧なものを一回で書くのか

□スピーチの際、
A)原稿を準備するのか、
B)メモだけで行うのか、
C)あるいは何もなしで行うのか

□仕事は、
A)一人で行うのがよいのか、
B)チームで行うのがよいのか

□仕事は、
A)詳細な筋書きがあるとやりやすいのか、
B)ない方がいいのか

□仕事は、
A)緊張下で力を発揮するか、
B)安定的環境で力を発揮するか

□仕事は、
A)ようやく間に合うほどの短時間で行うのが良いのか、
B)そうでないほうが良いのか

□仕事は、
A)意思決定者として行うのが得意か、
B)補助者として行うのが得意か

□情報を入手する際、
A)読むことによるのか、
B)聞くことによってするのか

□情報を発信する際、
A)書くことによるのか、
B)話すことによるのか

□学びは、
A)書くことによるのか、
B)聞くことによるのか、
C)仕事を通じてか、
D)教えることによるのか

いかがでしょうか、イメージが湧きましたか。
この中でも特に「読む人か聞く人か」は、重要だと述べています。
書くことに長けた部下が、聞くことに長けた上司に報告をする。日常行われている風景ですが、お互いの「仕事の仕方」を知らないとフラストレーションが溜まる一方です。成果を出すためには、お互いの仕事の仕方を尊重し、引き出すことです。
ワークスタイルは、修正はできても変更できないといいます。そうであるからこそ、なおさら引き出す能力が大切です。その他の大切な仕事の仕方に「一人で働くのかチームで働くのか」や「学び方」があります。
前者は、生涯の成果を出すパターンを示しているという意味で重要です。
後者は、自分が成長するための方法を知ることになり、成長スピードに影響します。
長所を伸ばすとよくいいますが、ドラッカー流にいえば「強みと仕事の仕方を知り、これを伸ばす」ということになります。
成長のための一番の秘訣として是非、自分の仕事の仕方を確認してみることをお薦めします。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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