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リーダーが負うもの【経営のヒント 123】

第1部「使命が第一」の第4章は「リーダーが負うもの」です。
前回に引き続きこの章も対話形式です。その相手は、当時ハーマンミラー社の会長でフラー神学校の理事であるマックス・デゥプリー氏です。
対話は、人材の育て方、組織の育成、リーダーの責務を中心に展開されています。
まずは今日の一言から。

<ドラッカーの一言>
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リーダーの借りとは、人々に、その持っている可能性を
実現させ、彼らがその組織で働く目的を実現させてやる
ということなのです。
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『非営利組織の経営』 1990年 ダイヤモンド社より

この著書は、非営利組織を扱っています。非営利組織で「働く目的の実現」・・・。
ボランティアが基本ですから、どうやら報酬を得ることではなさそうです。
答えは、意味のある仕事に対する欲求を満たすこと、あるいは自己実現のための機会を得ることです。アメリカの場合、相当数が非営利組織に属してボランティアを行っており、その組織が重要なコミュニティーになっています。
企業がコミュニティーの機能を兼ねている日本とは大いに異なる点です。
こう考えると仕事後に赤提灯・・の理由もなんだか妙に理解できます。
さらに重要なことは、日本では自己実現を企業における仕事を通じてしか遂げられないということになります。

田坂広志さんの『仕事の思想』では、仕事の報酬の段階が書かれています。
1.仕事の報酬は給料である
2.仕事の報酬は能力である
3.仕事の報酬は仕事である
4.仕事の報酬は成長である
仮に企業で人が仕事をするとき「仕事の報酬は給料である」と考えていたなら・・
組織の成果は、果たしてあがるでしょうか?
組織の目的と個人の目的が合っていない。
「仕事の報酬は成長である」としたとき初めて組織と個人の目的が合致します。
給料とか能力は、どこまで行っても個人の目的です。
組織の目的(=使命、役割、存在意義、ミッション)を定めない限り、この問題は解決しません。
やはりここは、「仕事こそが人を成長させる最大の道具である」とドラッカー博士がかつて言ったように、「仕事」に対するスタッフの意識(組織の価値観)を醸成する必要がありそうです。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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