ホーム経営のヒント荒天を載り切ること【経営のヒント 120】

経営のヒント

HINT

経営のヒント

荒天を載り切ること【経営のヒント 120】

『非営利組織の経営』1部 第2章は「荒天を載り切ること」です。
この章では2つのことが中心的に述べられています。一つは「荒天」について、ひとつは「乗り切る」方策としてのリーダーのあり方。
今日は、前者の「荒天」についての一言です。

<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
失敗したからではなく、成功したがために、
かえってだめになった組織の方が多い。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
『非営利組織の経営』 1990年 ダイヤモンド社より

荒天とは、危機の到来。そしてその危機は、どんな組織にも必ず来る。
しかも「成功」が危機をよぶ。そのための心構えは、「待っていてはだめだ」の一言です。
ドラッカー博士の言葉によれば「系統だったイノベーションが行えるような体制をつくり上げること」。内外に危機ではなく、「機会」をとらえる姿勢を組織に組み込むことです。
現在、経営者が入手している情報は「問題点の報告」がほとんどです。
しかも過去の情報。失客情報、クレーム情報、欠品情報などなど・・
全部過去に起こった問題点。つまりは、イノベーションを起すには、今もっている報告システムには頼ることができないということです。未来の機会に関する情報を入手しない限り、いつか必ず組織には危機がやってくる。
変化を機会に変えるための正しい問いかけ・・ドラッカー博士曰く「はたしてこれは、われわれにとって機会を意味するものであろうか、そうだとすると、一体それはどのような機会だろうか」。
かつてドラッカー博士が企業家の基本的機能としてマーケティングとイノベーションをあげました(『現代の経営』)。
イノベーションは、非営利、営利組織に不可欠の日常的な仕事なのです。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

関連記事