トップマネジメントの仕事【経営のヒント 345】
『マネジメント』<下巻>第50章「トップマネジメントの仕事」から、
今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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トップマネジメントの仕事は多元的である。
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『マネジメント<下>』p.9 1973年 ダイヤモンド社
トップマネジメント以外のマネジメントは、なすべき貢献が明確であり、
一般的に一つの仕事に専念することになります。
これに対してトップマネジメントの仕事の種類は一つではありません。
ドラッカー教授は、トップマネジメントの仕事を多元的で複雑、
再起性がありながら断続的だとしました。
多元的という意味は、以下に挙げた仕事のバラエティさからも解るとおり
異なった要素をもった仕事に取り組むということです。
複雑という意味は、全体と部分、長期と短期などバランスをとりながら
問題解決を図っておくことが求められるということです。
会議室でミッションのことを考えながら、
現場の重大な危機的状況に対応することもあります。
再起性という意味は、同種の問題や課題が繰り返し起こるが、
解決方法はバラエティに富んでいるということです。
原則で対応不可能な、例外的な問題に対応しています。
断続的という意味は、
いつもその仕事だけを行っているわけではないということです。
第一に、仕事のバリエーションが多彩です。
第二に、会議体で仕事を行うことが多く、
物理的に断続的になるという側面があります。
ドラッカー教授が挙げたトップマネジメントの主な仕事は次の6つです。
①組織としてのミッションを考える
②組織全体の規範を定める
③組織をつくり、それを維持する
④顧客や取引先との渉外
⑤公的行事、夕食会などの儀礼的仕事
⑥重大な危機に取り組む仕事
このように書いてなお、仕事の種類が同じでも、
個々の具体的な仕事の内容は著しく異なります。それは、組織に特有です。
したがって答えはいつも異なります。
まったく同じ仕事は一つもないといって過言ではありません。
対応を鍛えなければなりませんね。
佐藤 等