構造変化をマネジメント【経営のヒント 107】
読み進めてきた『乱気流時代の経営』も中盤戦、第3部「構造変化をマネジメント」するに入ります。ここでいう「構造変化」は、人口の構造変化です。ドラッカー教授は、ことあるごとに人口の構造変化が社会に与える影響の大きさを述べています。
<ドラッカーの一言>
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人口の構造変化は、新たな機会をつくり出す。
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1980年 新訳『乱気流時代の経営』(ダイヤモンド社) より
「変化」が「機会」を生む。とてもシンプルなドラッカー教授の原則です。
チャンスの女神に後ろ髪はないといわれますが、「変化」を感じ、「変化」を自分なりに理解することがなければ、前髪を掴むことはできないわけです。
アッと振り返ったとき、すでにその機会は皆の知るところとなり市場の成長は、鈍化へと向かうのです。「何かうまい商売はないか」では、チャンスを掴むことはできません。
「何か重要な変化はないか」というのが企業家の正しい問いかけです。
日本では2007年から、これまでに経験のない人口減少社会が到来します。
ドラッカー教授の言葉を借りると、「数百年に一度、際立った転換がなされる。
われわれは峠を越える。」そして「そのとき社会は数十年をかけて次の時代のために身繕いをする。世界観を変え価値観を変える。社会と政治の構造、芸術と機関を変える。そして五十年後には新しい世界が生まれる。」
まさに峠を越えるのが来年です。上りから下りへ、私たちの視界が変わります。
高齢人口の社会負担の問題、若年労働力の問題、移民の問題がこれまで以上にクローズアップされます。これらの問題の解決を巡って、新たな機会が目の前に現れます。来年は、日本にとって歴史的転換点を迎える年です。
私たちは、そんな時代にビジネスの最前線に立っていることに感謝すべきなのではないでしょうか。
「変化」と「機会」について年末年始でじっくりと考えてみたいと思います。
ナレッジプラザの会員の皆様には、今年一年大変お世話になりました。
来年は、ナレッジプラザが皆様のさらなる飛躍の場となるよう新たな企画をしております。ともに「成果」をあげたいと思います。
佐藤 等