マネジメントの評価【経営のヒント 106】
第2部「明日をマネジメントする」の最終章(第5章)は、「マネジメントの評価」です。この章は、マネジメントという役割を担った人間の評価と成果測定の章です。「決算」という言葉に反応して今日の一言を選びました。
<ドラッカーの一言>
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決算は、マネジメントの仕事ぶりを評価する尺度としては正しくない。
決算は、マネジメントの仕事ぶりではなく、企業の成果の尺度である。
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新訳『乱気流時代の経営』(ダイヤモンド社) より
この言葉のあとには、「しかも企業の成果は、多くの場合、先代のマネジメントの仕事ぶりの結果である」と続きます。「今日」の企業の成果が「過去」の意思決定と行動の結果ならば、「今日」のマネジメントを担う私たちは、「明日」の企業の成果を高めるために「今日」意思決定と行動をしなければなりません。
つまり、マネジメントを担う人間たちは、「明日」の事業を創る責任を負っているということになります。そのために次の4つの分野で比較を行うことの重要さをドラッカー教授は教えてくれます。
(1)投資の結果を当初の期待(見込み)と比べる
(2)人事(人材の育成と配置)の結果を当初の期待と比べる
(3)イノベーションの成果を当初の期待と比べる
(4)戦略の結果を当初の期待と比べる
この4分野をみるにつけ我々は、いったん意思決定したことについて、いかに省みる機会をもたないかに驚かされます。ドラッカー教授は、当初の期待と結果を比較することを「フィードバック分析」といい、様々な機会で用いています。
なんでも14世紀のドイツの神学者あたりに起源があるといいます(『明日を支配するもの』)。
比べるサイクルは9ヶ月~12ヶ月。ここが味噌のようです。
ドラッカー教授ご自信50年以上にわたり続けて、成果をだしていた方法です。
私たちも是非身につけたい技術ですね。
佐藤 等