専門職【経営のヒント 91】
第4部最終章は、「専門職」(第26章)です。
本文中に公認会計士という言葉もあるので紛れもなく私も専門職に入るのでしょう。
今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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今日、専門家の社会的責任が求められている。「視野の狭い専門家」
にとどまることなく、「幅の広い人間」たるべきことが説かれている。
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新訳『現代の経営』(ダイヤモンド社)より
専門家(職)に求められている視界の広狭の問題は、この本が書かれた50年前よりもなお一層、今問題になっています。なぜなら専門領域は、狭い範囲で深くなってきているからです。
このことは、ここ20数年間のコンピュータ技術の専門分野の分化(Webデザイナーの誕生)、医療分野の専門化(「めまい」専門クリニックの誕生)など例はいくらでもあります。一方で専門分野が深まれば深まるほど横断的な知識・経験をもった、たとえばホームドクターのような「幅広い人間」が重要になってきます。専門領域が分化することでその数は増え続けることからその「幅」は益々広がります。ということは、これら「幅広い人間」は、きわめて希少な存在であるといえます。このメルマガで最初に取り扱った著書『経営者の条件』の冒頭に次の言葉があります。
「知的な能力は、体系的作業を通じてのみ、成果に結びつくものである」(味わい深い!)。
そしてその経済的成果は、お客様を通じて社会的責任・役割を果たしたときにのみもたらされます。
専門家(職)に限らず、経営者を含めた「幅の広い人間」が、知的能力を基礎に体系的作業、つまり「仕組み」を構築します。知識、能力は素材、これを元にキャンバスに絵を描いたとき仕組みが完成します。
専門家(職)は、時代とともに変化する「幅」をとらえ、日々腕を磨く画家みたいなものです。
佐藤 等