目標と自己管理によるマネジメント【経営のヒント 76】
今日は、『現代の経営』第11章「目標と自己管理によるマネジメント」からです。
まずは、今日の一言から。
<ドラッカーの一言>
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事業が成果をあげるためには、一つ一つの仕事を、
事業全体の目標に向けることが必要である。
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新訳『現代の経営』(ダイヤモンド社)より
ドラッカーがその著書で何度か用いている次の逸話があります。
3人の石工に何をしているのかと質問し、その答えが返ってきました。
一人は「これで食べている」と答え、
一人は手を休めずに「国でいちばん腕のいい石工の仕事をしている」と答え、
一人は目を輝かせて「教会を建てている」と答えたそうです。
さて皆さんの企業という名のチームには、どのタイプの石工が多いですか?
少なくとも経営幹部は、「教会を建てる」という目標を共有していなければなりません。でも、その前に目標が曖昧であったらどうなるでしょう。
チーム全員が「これで食べている」と言うに違いありません。
恐ろしいことです・・・。
目標とビジョンが明確でないとこんなことが起こります。
さて妥当な目標をたてることで、チームの一人ひとりに役割と責任が生まれてきます。責任を果たすことが「貢献」であり、組織の「成果」に繋がります。
そして「貢献」に基づいて「評価」を行うことでさらにチームのメンバーは「貢献」を追及するようになります。これを目標管理制度(MBO)といいますが、ドラッカーが50年前に提唱したものです。
ドラッカー自身、目標と自己管理によるマネジメントこそ、まさにマネジメントの哲学と呼ぶべきものであるとまで言い切っています。
我々も「教会を建てている」という意識の高いチームの監督を目指したいものです。
佐藤 等