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既存企業における起業家精神【経営のヒント 50】

前回に引き続き、第13章「既存企業における起業家精神」です。前号で起業家精神を発揮するための4つの条件をあげました。その中に「(4)いくつかの行ってはいけないことを知る」というのがありました。ご記憶でしょうか?その節のタイトルは、「7.起業家精神にとってのタブー」となっています。今日の一言は、その中から1つ。

<ドラッカーの一言>
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いかなる組織であろうとも、得意な分野以外でイノベーション
を行おうとしても成功することはめったにない。
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新訳『イノベーションと起業家精神-その原理と方法-』(ダイヤモンド社)より

これは、「多角化はイノベーションや起業家精神とは相容れない」という言葉と一対になっています。章のタイトルを思い起こして欲しいと思います。「既存企業における」とあるとおり、この章は既存企業にかかわるものです。ですから多角化が登場します。多角化は、<新規商品で新規市場>で勝負するもの成功の可能性は低い・・。この他何か新しいことをやろうとする時には、<既存商品で新規市場>もしくは<新規商品で既存市場>で勝負するかというパターンになります。これらの方が成功の可能性が高く、この場合既存商品もしくは既存市場どちらに得意分野(強み)があるのかを考えることが重要になってきます。失敗で屍累々の中には、得てして多角化したのもが多く含まれているものです。ちなみに(1)既存の事業部門に任せてはならない、(2)起業家精神の浸透していない組織では行なってはならない、(3)買収でイノベーションを手に入れてはいけない、が残りのタブーです。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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