明文をもって規定されていないかぎり、権限は下位のマネジメントにある【経営のヒント 790】
「明文をもって規定されていないかぎり、権限は下位のマネジメントにある」
『経営の真髄』＜下＞p.23
ゼネラル・エレクトリック（GE）の一事業の内規をドラッカーは引用しました。アメリカ合衆国憲法をなぞったものです。
「命じないかぎり、すべては禁じられる」と真逆の規定です。わが社はどちら寄りでしょうか。
現場で働く者の行動に大きく影響を及ぼすことは容易に理解できます。ナレッジワークが必要な現場では、前者の考え方なくしては成り立ちません。
マニュアルワーク中心で管理志向が強い職場では、もしかしたら後者の考えが支配的かもしれません。
どちらが変革能力に富む組織であるかは明白です。どのような組織文化を醸成するかは、このようにシンプルな方向づけから始まるのではないでしょうか。
佐藤 等（ドラッカー学会共同代表理事）
佐藤 等
＜実践するマネジメント読書会®＞創始者。『実践するドラッカー』（ダイヤモンド社）シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表／公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』（ダイヤモンド社）シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中。
