≪みえないものをみる≫
今年は、大通側に移動したため雪像造りの様子が手に取るようにわかります。実は、目の前にいながら何年も雪祭りを見たことがありませんでした。目の前にあると世界的な祭典も日常化してしまい、見えていても観えていないのです。1月の最後の日曜日に我が母校である小樽商科大学のビジネスアイディアコンテストの審査員を務めさせてもらいました。学生主催のイベントで、今年で7回目、過去5回審査員を仰せつかっています。今年度の最優秀賞は、「トイレ営業革命~トイレ広告における付加価値の提案~」で、小樽商科大学4年の辰巳哲也君が見事にゲット。商業施設トイレの視線ラインに小型液晶モニターを備え付け広告媒体化するというアイディアですが、未利用空間を利用した素晴らしいものでした。審査委員長は、「意表を突かれた」と表現しておりましたが、我々にはまだまだ見えていないものがたくさんあるということをあらためて実感させられました。
ここ10年くらい学者の間では言われていたのですが、見えない資産、隠れた資産という表現がだいぶ市民権を得つつあります。隠れた資産・・・聞きなれないかもしれませんが皆さんはどんなものをイメージされますか?わかりやすいところでは、トヨタの卓越した製造能力、ディズニーのキャラクター、コカ・コーラのブランドなどがあげられます。「こんなものを資産と言うの?」というものに、群を抜いた顧客創造力、顧客の課題に対する洞察力、市場での優位なポジション、製品普及数などがあります。要は、他の起業家がみたら喉から手が出るほど欲しがるような、お客様に新しい価値を提供するために重要なもの・ことを隠れた資産といいます。貸借対照表には、載ってない資産。こんな資産が重要な時代になって来ました。同時に見えないものを観る姿勢が経営者に求められています。見る、視る、診る、観る・・・み方もいろいろです。いい目を養いたいものです。
ナレッジアドバイザー 佐藤 等