成長のマネジメント【経営のヒント376】
今日も第60章「成長のマネジメント」からお届けします。
まずは今日の一言から。
<ドラッカーの一言>
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成長には準備が必要である。
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『マネジメント<下>』p.254 1973年 ダイヤモンド社
単に願望があるだけで成長はできません。
成長するという意志は必要条件ですが、それだけで成長が実現できるわけではありません。
成長のための十分条件としてドラッカー教授は3つの条件を提示しています。
第一に、成長の機会です。
機会は準備している者のみが手にできます。
ドラッカー教授は「準備ができていなければ、機会は去り、他所の門を叩く」と述べました。
準備が欠かせません。
第二に、ドラッカー教授は具体的な準備として継続学習の風土を挙げました。
継続学習は、組織の強みを醸成します。
成長やイノベーションは強みを基盤とせよといわれますが、そのためには継続学習というプロセスが必要なのです。
第三に、下支え条件として財務基盤を挙げました。
「いざ成長というときに財務的な制約が成長を妨げる」と指摘しました。
成長とはお金が潤沢になることではなく、お金が足りなくなることを意味します。
一般的に、運転資金や納税資金が拡大します。
第四に、「成長の鍵は、あくまでも人間組織が自ら成長することのできるものになっていること」としました。
人間個々の成長が基盤中の基盤であると。
そしてドラッカー教授は、次のような含蓄のある言葉で人の成長を語りました。
「変化すべき人あるいは変化すべき人たちとは、多くの場合、今日までの成功をもたらしてきた人たちである。
彼らが成功を収めたまさにそのとき、その成功をもたらした行動を捨て、それまでの習慣を捨てるよう要求される」。
いかがでしょうか。単に願望だけでは成長はできないようです。
強い意志と4つの条件がそろって可能となるようです。
準備力が成長の決め手ということです。
佐藤 等