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イノベーションのマネジメント【経営のヒント 380】

今日も『マネジメント』の第61章、「イノベーションのマネジメント」からです。

前回のイノベーションを行う組織の6つの共通点から―「1)イノベーションの意味を知っている」についてです。

<ドラッカーの一言>
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イノベーションとは、科学や技術
そのものではなく価値である。
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『マネジメント<下>』p.272 1973年 ダイヤモンド社

イノベーションは、組織の外部に新しい経済価値をもたらします。
その尺度は、外の世界への影響です。
この点でよく見られる失敗は、成果の焦点を市場ではなく製品に合わせることです。
ドラッカー教授は、「製品に焦点を合わせたイノベーションは、
新奇な技術は生むかもしれないが、成果は失望すべきものとなる」と断じました。

新奇な技術、その延長線にある製品。

イノベーションを誤解している人たちがいます。
イノベーションの正しい理解が欠かせません。

もう一つの誤解は、イノベーションを技術的なものと誤解することです。
ドラッカー教授は、社会的なイノベーションにも目を向けます。
市場において経済価値に置き換わることが重要です。
たとえば現代の郵便制度を社会的イノベーションの例としてあげます。
定型、定額制、切手による前払いなど新しい方式は、郵便の概念を変え、
誰でも利用できるように制度として確立されました。

イノベーションとは、非科学的なものも含まれるのです。

ポイントは、あくまでも市場における経済価値の実現にあるのです。
非製造業であってもイノベーションと無縁ではありません。
マクドナルドは、ハンバーガーの発明者ではありませんが、外食産業にイノベーションを起こしました。
イノベーションを行う組織の基本にイノベーションの正しい理解が欠かせません。
ここからスタートしましょう。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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