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テクノロジーの予言者、フラーとマクルーハン【経営のヒント 411】

今日は『傍観者の時代』第13章「テクノロジーの予言者、フラーとマクルーハン」からです。

<ドラッカーの一言>
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一九六〇年代、テクノロジーがほかならぬ
人間の活動となった。
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『マネジメント<下>』p.286 1973年 ダイヤモンド社
ドラッカー教授は、1940年代から付き合いのあるバックミンスター・フラーと
マーシャル・マクルーハンについて1章を設けてテクノロジーについて語りました。
この二人は1960年代になってテクノロジーの予言者として時代の寵児となりました。

1960年代から1970年代前半にかけての時代は、
テクノロジーへの幻滅と敵意に満ちていました。

しかし、この時代の中身はテクノロジーの時代であり、
外観だけ反テクノロジーを装っていました。

時代は「新しい現実」に直面していました。
テクノロジーといえばテクノロジストが必要とするものでした。
テクノロジストがダムを造り、飛行機や電話を作りました。
そしてテクノロジストのこれらの実りの享受者は教養人でした。

ところが1960年代、
テクノロジーは教養人のためのものから人間全体のものとなりました。
大きな変化でした。
このような変化に対する人間の通常の反応は拒絶でした。
しかし、徐々に新しい現実に目を向けるようになります。
その時にいたのがフラーとマクルーハンでした。

ドラッカー教授は
「テクノロジーこそ、哲学、文化、美学、人間学と結合させるべきものであり、
テクノロジーこそ、人間学と自己認識の中核に位置付けられるべきものである
との認識に到達しつつあった世代にとっては、この二人のテクノロジーの予言者こそ
来るべき新しい現実を垣間見せてくれる存在だった」と2人を評しました。

テクノロジーが人間に直接影響を与える時代がやってきました。
ドラッカー教授は『断絶の時代』(1969)で時代の変化の「技術」を
大テーマとして挙げました。
時代が技術を求めていたことがわかります。
スマホに依存する世代の問題などに象徴されるように、
以降現在まで技術と人間の関わりは密接度を増してきました。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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