組織の目的は社会において特有の役割(ミッション)を果たすことです【経営のヒント 544】
原理・原則にしたがっているからといって成功は保証されるわけではありません。
しかし原理・原則に反したとき長期的には必ず失敗が約束されています。
教授からそのマネジメントの哲学を学べば学ぶほどマネジメントとは失敗しないために
身につけなければならないものだということを思い知らされます。
「失敗しないための原理のマネジメント」
今年初めからお伝えしているベースにある考え方です。
成功を求めて原理に反した方法をとるという愚を犯さないために原理のマネジメントを
大いに活用したいものです。
組織の目的について前回の復習からです。
第一に、組織の目的は社会において特有の役割(ミッション)を果たすことです
<マネジメントの原理3>
第二に、組織の目的は所属する人を成長させることです<マネジメントの原理4>
第三に、組織の目的は社会にある新しい課題を解決することです<マネジメントの原理5>
上記の一つ目を実現するためにどんな組織も事業businessを行います。
組織は「公器」と呼ばれることがあります。
組織を社会的機関と考えるドラッカー教授の考え方と軌を一にしています。
組織は社会において役割を果たすことから「公」という語がついています。
一方、組織は「器」であると考えられます。
その器には何が入っているのか…
器をイメージして考えてみて下さい。
こんな事例が参考になると思います。
2006年、日本最古の会社と言われている金剛組が経営破綻しました。
創建は西暦578年。最初の発注者は聖徳太子といわれています。
バブルで傷を負った宮大工集団の金剛組を救ったのが地元のゼネコン高松組(1部上場)です。
新金剛組を設立し、人とノウハウをその組織に移転しました。
旧金剛組はその後、破産処理されました。
金剛組の本社は大阪の四天王寺の近くにあります。
聖徳太子が建立した四天王寺が過去2回全焼しても再建できたのは金剛組の存在があった
からです。
つまり同社の宮大工という事業は世の中になくてはならない存在になっていたのです。
この事例が端的に示しているのは、社会にとって重要なのは組織ではなく事業であると
いう事実です。
経営者にとってはゾッとする話ですが組織が社会の道具であるという原理<原理1>から
考えると当然といえば当然の結果です。
「器」の中身は「事業」であることがわかります。
そしてその事業は「器」ではなく社会に選ばれているかどうかで評価されるということです。
一つの重要な原理を提示して今日のメルマガを終えたいと思います。
<マネジメントの原理6>
組織の目的(ミッション)を実現する手段として事業がある
佐藤 等