組織社会の到来【経営のヒント 214】
前回に続き『ポスト資本主義社会』、第二章「組織社会の到来」からお伝えします。
まずは今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
組織は自らの内に創造の仕組みを
組み込まなければならない。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
『ポスト資本主義社会』 1993年 ダイヤモンド社より
ポスト資本主義社会における組織は変革機関であるとドラッカー博士はいいます。
安定を求める維持機関型では生き残れないといいます。
組織は、継続するために変革を必要とします。
老舗企業は、必要なときに変化することができた企業です。
企業を取り巻く環境の変化は日々変わり、50年、100年の間には想像もできない変化が訪れています。
例えば今から50年前の1958年は、聖徳太子の一万円札が登場し、東京タワーができ、長嶋茂雄が巨人軍に入団しました。
日清食品が即席チキンラーメンを35円で発売し、富士重工業が425,000円でスバル360を販売し始めました。隔世の感があります。
10年一昔といいますが現代はドックイヤー。7倍速で時代が変わっています。
一年一昔ともいわれる現在、行動を変えることは必須です。
ドラッカー博士は、組織が生き残るためにとるべき行動パターンとして次の3つをあげています。
<第一に、組織はすべての行動について、絶えざる改善を行う>
体系的かつ継続的な自己改善が新しい自分を生み出します。
数年も改善を続けていけば、まったく新しいものに生まれ変わるといいます。
それほど激しい改善が求められています。
<第二に、組織は成功しているものについて新たな展開を行う>
第三者あるいは自己の成功を徹底して行うことで新たな価値を市場に生み出します。
人の成功も戦略的に模倣し、さらにうまく行うことで強力な価値を生み出すことを目指します。
<第三に、組織はイノベーションを行う>
イノベーションは体系的かつ組織的に行うものです。
既にあるものを廃棄し、新しい価値を創造します。
イノベーションは技術革新と同義ではありません。
発明発見はその一部ですが重要な一部ではありません。
マクドナルドはハンバーガーを発明したわけでありません。
世界中に同じ規格、同じ品質のものを展開しただけです。
これがイノベーションの典型例です。
いずれにしても今私たちは、何を変えるかを問われています。
迷っている暇はありません。
継続するために変革しなければならないのです。
逆風を上昇の気流に変えて進みたいものです。
佐藤 等