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組織社会の到来【経営のヒント 213】

『ポスト資本主義社会』第二章は「組織社会の到来」です。
多様な組織が社会の役割を担う存在であることをドラッカー博士は、ポスト資本主義の社会生態系であるといいました。
しかしあくまでも組織は道具にすぎません。
この章は、その組織の基本原理が述べられている大切な章です。
今日の一言です。

<ドラッカーの一言>
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明日の組織のモデルは、オーケストラである。
オーケストラでは、すべての団員が、
それぞれの専門能力を全体の使命に従属させる。
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『ポスト資本主義社会』 1993年 ダイヤモンド社より

組織の基本原理の第一は、組織は一つの目的を持っているということです。
組織は社会的役割を持つ限りにおいて生存を許されます。
複数あってはいけません。ただ一つです。
第二に、組織は専門知識を生産的にします。
知識が専門的であるためには知識同士を結合させます。
そのために組織が存在します。一人で行う仕事には限界があるからです。
第三に、組織に参加する知識労働者は専門性を究めなければなりません。
それら個々の専門性を連結するとき組織が最高の成果をあげることができます。

これら3つのことをオーケストラの例えが表しています。
オーボエ奏者はバイオリンを弾こうとしてはなりません。
自分の技術を究めなければなりません。
一方でオーケストラの団員は、全員が同じ楽譜をもって演奏します。
しかも一度に一曲だけ演奏します。
それぞれが専門性を究め、組織のなかで役割を得て、一つの目的を目指して一人ひとりが貢献を果たし大きな成果を得る。
これが組織の基本原理です。

こう考えると大切なことは組織全員が共有する楽譜を持つこと。
一人ひとりが得意な楽器の技術を究めること。
指揮者が一人ひとりの力を引き出すことです。
つまり経営者は、組織の社会的役割を鮮明化させ、組織に参加する一人ひとりの自己開発をサポートし、向上した能力を引き出すことを最大の仕事としなければならないということです。
一つひとつが重要です。
現状を振り返りながら未来へのチャレンジを続けたいものです。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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