資本主義社会から知識社会へ【経営のヒント 212】
『ポスト資本主義社会』の第一章は、「資本主義社会から知識社会へ」です。
ポスト資本主義社会は、知識社会になるであろうことを予見しています。
資本主義社会における生産要素は、資本、労働、土地といわれました。
今日これらの資源は重要なものであることに変わりありませんが、制約条件であるといいます。
実現の制約要素だということです。そして基本な要素は知識であると。
<ドラッカーの一言>
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今日では、知識だけが意味ある資源である。
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『ポスト資本主義社会』 1993年 ダイヤモンド社より
☆のついたレストランが日本にも登場しました。
思いがけないかもしれませんが、そんなレストラン業は知識の塊です。
食事をする場に相応しい内装に工夫を凝らします。
できるだけ安くかつ高品質な食材を手に入れる情報をいつも入手していかなければなりません。
シェフ以下厨房スタッフは日夜レシピの開発に余念がありません。
出来上がった料理をお客様の席まで運び本日の料理を説明するには食材やお酒の知識が不可欠です。
食材に何を付加したのか。デザインであり、味であり、演出です。
付加された価値は、食材の原価をはるかに上回るものです。
ビジネスでは付加価値を追求するといいますが、この部分のほぼ全部が知識を出し合う過程で生まれます。
実際の個々の知識は人に属しています。
それゆえ人の知識装備率をあげなければなりません。
貯めた知識を引き出す工夫をしなければなりません。
その知識に基づいて行う行動を共有化し組織のものとしなければなりません。
知識は、実際には目に見えないものです。行動によって強化され効率が上がります。
頭の中から行動によってのみ取り出すことができます。
そして行動により、はじめて成果に結びつきます。
知識だけが意味ある資源であるとの認識は21世紀では不可欠のものです。
意識をこの一点に集中して今のビジネスを見つめなおしみたいものです。
佐藤 等