組織の設計原理と組織の仕様【経営のヒント 339】
今日も『マネジメント』<中巻>、
第44章「組織の設計原理と組織の仕様」からです。
前回は仕事中心の組織、成果中心の組織、関係中心の組織の3つの組織の
設計原理によって職能別組織、チーム型組織、連邦分権組織、擬似分権組織、
システム型組織という5つの組織構造が設計されることをみてきました。
今日の一言は、「組織の仕様」と呼ばれるものです。
<ドラッカーの一言>
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いかなる組織構造であっても、組織として最小限
満たさなければならない要件がある。
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『マネジメント<中>』p.246 1973年 ダイヤモンド社
「構造とは形態である」とドラッカー教授は指摘しました。
そして「形態には満たすべき仕様がある」と。
したがって5つの組織構造(形態)にも最小限満たすべき要件があるとし、
7つを示しました。
①明晰さ:
必要とするもの(情報、協力、意思決定等)がどこに行けば
入手できるかが明らかであること
②経済性:
方向づけ、監督、動機づけなど人を成果に向けて動かす労力が
少なくてすむこと
③方向づけ:
努力ではなく正しい成果にむけさせるものであること
④理解の容易さ:
自らに与えられた仕事が容易に理解できること
⑤意思決定の容易さ:
意思決定がただいいレベルで行なわれ、容易に行動に移せること
⑥安定性と適応性:
混乱のなかでも活動を続けることができること。
かつ新しい状況に柔軟であること
⑦永続性と自己革新の容易さ:
組織は継続を大前提に、そのために新たに生まれ変わることができること
相応しい組織構造が決まったら仕様どおりか否かのチェックが必要となります。
そのポイントが7つです。成果をあげ続ける組織の要件といってもいいでしょう。
組織設計の際はもちろん、今の組織がこれらの用件を満たしているか、
劣化していないかという観点から十分活用可能です。
今一度、振り返ってみたいものです。
佐藤 等