組織の基本単位の位置づけ【経営のヒント 335】
今日も『マネジメント』<中巻>、「組織の基本単位の位置づけ」第43章から
お伝えします。
<ドラッカーの一言>
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「成果を手にするにはいかなる決定が必要か」
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『マネジメント<中>』p.230 1973年 ダイヤモンド社
前章「組織の基本単位」では、何を組織の基本単位とするか、何を一緒にして
何を分離するかがテーマでした。それを「組織の基本単位の設計」といい、
そのための分析方法として貢献分析が必要であることを説明しました。
本章では、次のステップに進みます。
「組織の基本単位」をどこに位置づけ、いかなる関係をもたせるか。
これが次のテーマです。
そのために必要な分析が決定分析と関係分析です。
次の問いは、決定分析に不可欠な問いです。
①「成果を手にするにはいかなる決定が必要か」
②「それらの決定はいかなる種類の決定か」
③「それらの意思決定をいかなるレベルで行なうか」
④「いかなる活動がそれらの決定に関係があるか。いかなる活動が影響を受けるか」
⑤「いかなる部門のマネジメントが、いかなる決定に参加し、相談を受け、
あるいは決定の結果を知らされなければならないか」
②の意思決定の種類についてドラッカー教授は、
「ある企業では、過去五年間にマネジメントが直面した問題の90%が類型的なものであり、
『どこで決定を行なうべきか』を改めて検討しなければならないケースはさほどなかった」
と指摘しました。問題は類型的でない問題です。意思決定レベルを決めていなければ、
行き場に迷い、必要以上に高いレベルに持ち込まれたり、
重要な問題が低いレベルで処理されたりします。
ドラッカー教授は4つの分類の観点を提示しました。
a)影響する時間の長さによる分類―
「その決定によって、将来どの程度の期間にわたって組織は影響を受けるか」、
「どの程度すみやかに戻せるか」
b)他の部門や分野、組織全体など影響する範囲による分類―
部分最適は回避しなければならない。
c)考慮に入れるべき定性的な要因の数による分類―
定性的要因とは、行動原理、価値観、信条。典型は人事の問題。
d)頻度による分類―
問題が繰り返し出てくるか、稀にしか出てこないか。
繰り返し出てくるものはルールや原則で対応。
①と②の問いにより、初めて③で、どのレベルで行なうかを決めることができます。
少々手間なのですが是非取り組んでください。
一度この分析を行なえば何年も使えますので。
さて一方の関係分析は次回のテーマとさせていただきます。
佐藤 等