事業というプロセスを業務、仕事、作業に分解する【経営のヒント 593】
ここまでは人のマネジメントという流れの中でマネジャーの5つの仕事(以下再掲)から
人のマネジメントに関係する原理を取り出してきました。
ここでは、いったん人のマネジメントを離れてマネジャーの5つの仕事からまだ取り上げて
いないもの―以下の1.2.4.から原理を取り出してみます。
人のマネジメントと無関係というわけではありません。
むしろ前提であり、延長線上にあるものです。
<以下再掲>
1.目標を設定する
2.組織する
3.動機づけとコミュニケーションを図る
4.評価測定する
5.人材を開発する
さて今日は「2.組織する」を取り上げます。
何を組織するのか。
これには原理的に順番があります。
第568号で一つの原理を示しました。
事業というプロセスを業務、仕事、作業に分解する
<マネジメントの原理33>
仕事のマネジメントの基本は、<業務―仕事―作業>といった階層の分解をすることです。
つまり一つの事業を行うのに必要な業務に分け、さらに一つひとつの業務をいくつかの仕事
に分解し、さらに一つの仕事をいくつかの作業に分解します。
一つの事業を行うということは、仕事を組織することです。
さらに仕事を組織するということは、作業を組織することです。
このように事業は客観的に、つまり誰が行うかという要素を排除して一定以上の経験とスキルを
もった人であればできるように設計されると考えるのが仕事のマネジメントです。
本来必要な仕事や作業には個別、具体的なスキルや経験などがあります。
そしてそのスキルや経験をもっている者を仕事に配置します。
適所に適材を配置するのです。
第571号で以下の原理を示したのはそのためです。客観的に設計されていない非生産的な仕事に
人を配置して生産性の悪さをその人のせいにするということが現場ではよく起こっています。
仕事に必要なスキルや知識を明らかにする
<マネジメントの原理39>
第572号で示した次の原理はこのようなこのような「組織化」の考え方の下で実現するのです。
人を管理するのではなく仕事のプロセス(作業や動作)を管理する
<マネジメントの原理40>
さらに第573号では、根本原理ともいうべき次の原理を示しました。
仕事のマネジメントは、人のマネジメントの土台である
<マネジメントの原理41>
以上、マネジャーの5つの仕事の一つ「組織する」に関連する主な原理を整理しました。
新しい原理はありません。
つまりマネジャーはこれらの原理を使いこなして仕事を行うことが求められるのです。
次回はマネジャーの5つの仕事の残り2つ、すなわち目標を設定する、評価測定するという仕事から
原理を取り出したいと思います。