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集中は「どこ」に「どれだけ」を決めることである【経営のヒント 613】

時間管理が上手くいかないと嘆く人の多くは、目的を明確にしていないことを原因と
しています。
目的なしの管理はありえないからです。
仕事における時間管理の目的は成果をあげることです。
すなわち顧客によい変化が起こることです。
そのために必要なことが。
「最も重要なことに集中する」ことです。

前回指摘した原理が役に立ちます。

<マネジメントの原理129>
集中は「どこ」に「どれだけ」を決めることである。

したがってまず、「どこに」集中するのかを問うことです。
具体的には、自分の強みを生かして、組織に最も貢献できることに集中することに
なります。
そして「どれだけ」を決めるのが時間管理です。
しかし「どこに」時間を使ったかがより重要であり、時間管理の本質が活動管理と
いわれるゆえんです。
時間管理は、成果をあげるため、どのような活動に時間を使うかをデザインする
ことです。
そのためには、過去の陳腐化した活動を人に任せ、廃棄する必要があります。
そのための準備的プロセスが時間の使い方を記録し、分析することです。
次いで成果に焦点を当てこれまでの活動の整理、すなわち活動の終始増減を計画し、
実行します。
その中で重要なことは、たとえば1.5~2時間というまとまった時間を日に何個か
生み出すことです。
最も重要なことは、まとまった時間がなければなければ、生産的に行うことは
できないからです。
時間管理と人の強みのマネジメントは、セルフマネジメントの本質的な領域です。
貢献や集中、意思決定はやり方を示していますが、時間と強みは人が固有に持って
いるものを対象としているからです。
重要性を再確認して取組みを強化したいものです。

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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