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知識経済への移行【経営のヒント 194】

4部は『知識の時代』です。最初の章、第12章は「知識経済への移行」です。
まずは今日の一言からです。

<ドラッカーの一言>
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知識とは、電気や通貨に似て、機能するときに
初めて存在するという一種のエネルギーである。
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エターナル版『断絶の時代』1969年 ダイヤモンド社より

ドラッカー博士は知識人という言葉と知識労働者という言葉を使い分けています。
知識人にとっての知識とは獲得することが目的ですが、知識労働者にとっての知識は、活用することが目的です。
知識人は、本の中に知識があるというでしょう。
しかし仕事で成果をあげなければならない知識労働者にとっては、本の中にあるのは単なる情報にすぎません。
ドラッカー博士は「情報は、何かを行うことのために使われて初めて知識となる」と言います。

知識はエネルギーであるとドラッカー博士はいいます。
知識もお金や電気同様、使ってなんぼというわけです。
最高のエネルギーを発揮するには、知識を蓄積するプロセスと蓄積した知識を活用するプロセスの両方を充実させる必要があることが解ります。
知識を蓄積するプロセスでは、量と質の両面を意識します。
そして活用プロセスでは成果をあげる能力の充実が重要です。

知識労働者の働き方の特徴は、組織で働くことです。
一人の人が持つ知識には限りがあります。
多くの知識が集積し、製品やサービスに結実する、それが現代の組織社会です。
知識労働者が組織の中で成果をあげる能力を身につけなければならない理由です。
例えば、組織では一人ひとりが強みを生かすことが最も意味あることです。
また組織に貢献する能力が組織の成果にとって重要です。
貢献のために重要なことに集中することが求められます。
これらの成果をあげる能力こそが知識というエネルギーを効率よく燃焼させ、多くの出力を得る秘訣なのです。
こうして知識労働者の生産性の向上がすべての組織の課題になるのです。

知識労働者の生産性をあげる6つの条件を『明日を支配するもの』から参考のため再掲載しておきます。

(1) 仕事の目的を考える。
(2) 働く者自身が生産性向上の責任を負う。自らをマネジメントする。自律性をもつ。
(3) 継続してイノベーションを行う。
(4) 自ら継続して学び、人に教える。
(5) 知識労働者の生産性は、量よりも質の問題であることを理解する。
(6) 知識労働者は、組織にとってのコストではなく、資本財であることを理解する。
知識労働者自身が組織のために働くことを欲する。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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