多元化した社会【経営のヒント 185】
『断絶の時代』第8章は、「多元化した社会」というテーマです。
この章から第三部「組織社会の時代」に入ります。
まずは、今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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今日の組織に働く者は、自ら意思決定を行い、
自ら知識を責任をもって使うことを求められる。
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エターナル版『断絶の時代』1969年 ダイヤモンド社より
現代は組織社会だといわれています。
組織がそれぞれ目的と役割をもちながら社会を構成している時代。
それが現代です。
社会における役割がなくなった組織は、消えてなくなるというシンプルな、しかし厳しいルールがそこにはあります。
それゆえ社会的な役割、目的をハッキリと自覚し、発信することは重要です。
組織の存亡を左右します。現代社会にはもう一つの特徴があります。
それは、知識社会だということです。
その社会では、組織は数百、数千、場合によっては数万の専門化した知識を体系的作業に結び付けて成果をあげます。
現代の組織の経営資源として知識が最も大事だといわれる所以です。
現代社会では、組織がそれぞれ社会的役割を担っていると先に述べましたが、その役割を果たすためには多くの知識の存在が欠かせないという現状があります。
一方、現代社会を生きる労働者は、知識を保有し、活用することで成果をあげます。
私たち知識労働者が成果をあげない限り、組織が社会的役割や目的を達成することは決してありません。なぜなら組織は単なる形式で、実質はそこに参加している人々であるからです。人が存在しない組織は、単なる空き箱です。仕組みも顧客もそこに所属する知識労働者がいてはじめて価値を生み出します。
それゆえ知識労働者の責任は重大です。
知識労働者一人ひとり、つまり私たち一人ひとりが自らを管理します。
「なされるべきことは何か」を問い、知識を活用し、意思決定し、行動します。
その先に社会の役割を果たすための成果があります。
個人の働きがすべてであることを心底納得させることが経営トップの大切な仕事です。
それが最大にして唯一の仕事です。
佐藤 等