何をもって記憶されたいか【経営のヒント 141】
第5「自己開発」、第2章は「何をもって記憶されたいか」です。
全著書の中で最も私が心に響く、その章からとっておきの<今日の一言>です。
<ドラッカーの一言>
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私は、いつもこの問い「何をもって記憶されたいか」を
自らに問うている。これは自分自身を刷新することを
促す問いである。
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『非営利組織の経営』 1990年 ダイヤモンド社
「私は」は、もちろんドラッカー博士。この問いは、ドラッカー博士13歳のとき宗教の先生から聞かされたものです。そして忘れることなく思考し、行動して現代の偉大な哲人が生まれました。「記憶されたいか」という言葉は、「卓越性」を示します。
記憶されるためには、抜きん出て秀でていることが要求されます。そして「何をもって」という言葉は、分野、カテゴリーなどを示します。そして常に他より抜きん出るには、最後の勝負の相手は「自分」ということになります。しかも毎日の勝負です。
私は、自己刷新という言葉をこの著書ではじめて目にしました。日々新たな自分をつくり上げる、やや息苦しくも感じるこの言葉の魔力に魅せられています。もちろん勝負のリングは、様々です。世界、日本、北海道、札幌・・地域、企業、部課・・。
それぞれのリングでそれぞれの成長を自ら促す魔法の言葉が<今日の一言>です。
特定のものが他よりも突出して秀でていることを目指すには、いくつかの秘訣があります。一つは、資質や強みを生かすことです。強み以外で誰かに記憶されることは、ありません。二つ目は、なすべき正しいことを行うこと。正しく行うのではなく、まず正しいことを行う。正しくないこと以外では、せいぜい悪名で憶えられるのが関の山です。三つ目は、集中することです。そもそも私たちは、時間が不足しています。したがって時間という希少な資源を何かに集中して投入しない限り、成果は生まれません。こうした日々の思考と行動により自己が成長し、その先に「卓越性」があります。「自己開発」という言葉は、ひとえに自分を見つめ継続して何ごとかを行うことで実行できるものなのです。
佐藤 等