あなたが責任者なのだ【経営のヒント 140】
今日から最終パート第5「自己開発」に入ります。第1章「あなたが責任者なのだ」はわずか6ページからなる小さな章ですが、トテツモナイことが書いてあります。
お一人おひとりにコピーをして配布したいという衝動に駆られる章です。
ちょっと長いのですが今日の一言です。
<ドラッカーの一言>
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資源や、資金や、人や、時間の不足(いつも時間が最も
足りない)などに打ち負かされたり、それをいい加減な仕事
の言い訳にしたりすることを、自らに許してはならない。
もしこれを自らに許すようであれば、やがて、いい仕事を
させてくれないと世の中を憎むことになる。
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『非営利組織の経営』 1990年 ダイヤモンド社
このような「急な滑りやすい坂道を転落」(ドラッカー博士の言)をしないために最も必要なこと、それがこのパートのテーマである「自己開発」です。
役員であれば、自分の自己開発と組織のスタッフの自己開発ということになります。そのためのポイントは「真に違いを生みだすことのできる分野に集中すること」、すなわち「卓越性の追及」です。そのための方法は、フィードバック分析とよばれるもので次の問いの繰り返しになります。
(1)定期的に(年に1,2回)「この1年何をしたか」
(影響を及ぼしたこと、何を必要とされたかなど)
(2)(1)のうち「何が意義あるものであったのか」、
「どのようなことで時間を浪費していたのか」
(3)最高で最大のものを引き出すために「何に集中すべきか」
この繰り返しが「卓越性」を生みます。スタッフの成長を促すための「魔法の杖」でもあります。もう一本の「魔法の杖」は、リーダーが範を示すこと、つまり自ら成長することです。ドラッカー博士は、「自己開発ということは、より多くの能力を修得するとともに、人間としてより重みを加えることだと思う」と言います。
重みの源泉は、責任感です。自らを責任あるものにする。地位に責任が付くのではなく、責任に地位が付くのです。「あなたが責任者なのだ」という不思議な章で言いたいことは、このことなのです。成果を出せば給料はあがります、しかし昇進は内面を鍛錬し責任持つ覚悟と実践を持てる人が克ち得るものなのです。
佐藤 等