成果をあげるための意思決定【経営のヒント 132】
今日は、第3部「成果をあげるためのマネジメント」の第3章「成果をあげるための意思決定」からです。
何気なく使っている意思決定という言葉ですが、トテモトテモ奥深いものがあります。今日は、その一端を示す言葉です。
<ドラッカーの一言>
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意思決定をするということは、リスクを冒すということである。
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『非営利組織の経営』 1990年 ダイヤモンド社
組織が「行動」を起こす。そこに必ずリスクが伴う。お店でお水を出そうとして、こぼしてしまう・・こんなリスクから、新しいお店を出すために2000万円の投資をする・・まで様々なリスクが考えられます。個人の場合の「行動」は、無意識あるいは意思をもってなされます。これに対して組織は、ただの箱ですから、何らかの「意思決定」をしない限り、その箱は起動しません。
そしてその「意思決定」は、「行動」することで常にリスクにさらされます。
「選択と集中」という経営者ならば耳慣れた言葉があります。進むべき方向や方法を選択し、行動や経営資源を集中させることが言葉の意味です。
ドラッカー博士は、経営者は少数の重要な意思決定を行わなければならないと言います。この際の意思決定のリスク度は、最高値を示します。なぜなら進むべき方向や方法を誤れば、組織存亡の危機に陥るかもしれないからです。
こんな時どの様に反応しますか?「リスクがあるなら、そんな選択はしない」という、誤った「意思決定」が世の中に蔓延しています。その結果、経営能力や経営資源を集中できないで中途半端にダラダラと経営を行う組織が完成されてしまいます。正しくは、「負うべきリスク」でかつ「負えるリスク」であるならば、GOの意思決定をしなければならないのです。
そのうえでリスクをコントロールして成功確率を高めます。
組織(企業)行動には、リスクが運命づけられていますから、「意思決定をしない」という選択をしても、リスクは回避できないことになります。そればかりか、いたずらに停滞しているとビジネスチャンスを逃します。機会とリスクは、コインの表と裏です。組織は、日々動いていますからリスクに晒されています。
何も意思決定しないということも、立派なリスクです。
これを無為のリスクといいます。
リスクは、機会の別名ですから避けるものではなく、積極的に活かすものです。
リスクとどう向き合うかが、視界不良の時代を生き抜く一つのポイントです。
佐藤 等