貢献【経営のヒント 453】
今日のテーマは「貢献」です。貢献に焦点を合わせる能力は、
セルフ・マネジメントの要ともいうべきものです。
<ドラッカーの一言>
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仕事において貢献する者は、部下たちが貢献すべきことを要求する。
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『実践するドラッカー思考編』p.132
原典―『経営者の条件』p.94
ドラッカー教授は、組織が成果をあげるために、一人ひとりがどのような貢献を
行うべきかを考えなければならないといいます。
組織の成果とは外の世界における変化です。そして組織の成果を支えるものは、
個人の貢献です。
貢献の連鎖がやがて組織の外の世界に変化をもたらします。
組織は、社会において特定の役割(使命)を果たす道具です。
組織は長く社会においてその役割を果たし続けなければなりません。
そのために必要な条件は成果をあげ続けることです。
外の世界における変化とはお客様に起る変化です。
具体的には、飲食業であれば美味しかったとか楽しかったという変化、
治療院であれば痛みが緩和したという変化、学習塾であれば学力がアップしたという変化です。
何も変化が起こらなければお客様は去っていきます。
成果をあげ続けるということは、社会において役割を果たしている証拠です。
そのために組織の成果は欠かせません。売上や利益はこの成果の結果です。
売上ではなく成果を追い求めましょう。
ドラッカー教授は、組織は社会の道具であるといいます。
その道具が機能するためには、組織に属する一人ひとりがどのような貢献するかを
真剣に考えなければなりません。
それは社長のためでも、上司のためでもありません。
上司が部下に貢献を求めるのは、組織が社会において役に立つ道具として
機能し続けるためです。
上司も部下もこのことをよくよく理解しておかなければなりません。
上司は遠慮なく「あなたが貢献すべきことは何か」と問わなければなりません。
なぜなら成果のため、お客様のため、社会のためだからです。
貢献を問わないことは、お客様や社会をないがしろにする行為と言っても過言ではありません。
部下に単に要求だけすると部下の抵抗にあうかもしれません。
貢献の要求の根本にあるもの、つまり成果の意味を真に理解していないからです。
貢献と成果の関係を今一度確認しましょう。
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<実践のための問い>
あなたは、外の世界で変化を起こすためにどのような貢献を期待されていますか?
佐藤 等