MANAGEMENT HINT
今日では、一人ひとりの生活が組織のマネジメントの手にかかっている。彼ら(一人ひとりの)の仕事の成果、満足度、自己実現、人間としての成長が、彼らの働く組織のマネジメントの仕事ぶりにかかっている。
『経営の真髄』<上>p.30
マネジメントの巧拙が一人ひとりの生活に影響を与える。いや、生活どころではありません、人生がかかっているといえましょう。
すわ一大事!
しかし、いわれてみれば当たり前のことでもあります。しかるに、われわれはマネジメントのことをあまりよく知らないという現実があります。
部下を正しい方向に導き、より大きく、より豊かな人間にすることは、直接的に、自らがより豊かな人間となるか、より貧しい人間となるか、成長するか、退化するかを決めることになる。
『経営の真髄』<上>p.30
組織の目的の一つに人を成長させることがあります。つまり、組織に属する一人ひとりは、組織という道具を使って自己成長を遂げなければなりません。
組織するには、分析能力を必要とする。希少な資源を経済的に使用しなければならない。と同時に、人を扱うがゆえに、正義の原則のもとにあって、終始真摯たることが要求される。
『経営の真髄』<上>p.29
前回、マネジメント(マネジャー)に5つの共通について述べました。
(1)目標を設定すること
(2)組織すること
(3)チームをつくること
(4)評価をすること
(5)人材を育成すること
ドラッカー教授は、これらの仕事について3つの視点で要諦を説明しました。
「分析能力」と「統合の能力」という2つの能力と「正義の原則」という基本の下、真摯たる姿勢が必要であるとしました。
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マネジメントに共通する仕事は5つある。
『経営の真髄』<上>p.27
ここでマネジメントと訳された原文はmanagerです。したがってトップマネジャーたる経営者はもちろん、広く「組織の成果に責任をもつ者」という意味でのマネジャーの仕事ということです。もちろん成果とは、外の世界における変化、つまり顧客に起こるプラスの変化のことです。
組織がなければマネジメントはない。マネジメントがなければ、人の群れがあるだけであって組織はない。その組織が社会のための機関である。それは、社会、経済、人間が必要とするものに貢献するために存在する。
『経営の真髄』<上>p.24
ドラッカー教授は、マネジメントの定義は「何に貢献するかによって」決まるといいます。組織は社会の機関(道具)であるからには、社会における存在意義がなければなりません。