HINT
自らの事業は何かを知ることほど、簡単でわかりきったことはないかに思われる。(中略)しかし実際には、「われわれの事業は何か」との問いは、ほとんど答えることの難しい問題である。正解はわかりきったものではない。
『経営の真髄』<上>p.175
ドラッカー教授は、上記(中略)に箇所で「鉄道会社は乗客と貨物を運び、保険会社は保険を引き受け、銀行は金を貸す」と述べました。
自分たちの行っていることを記述したに過ぎません。実際には、顧客は何のために乗客となり、何のために貨物を運ぶのか。何のために保険に入り、何のためにお金を貸すのか。続きを見る…
企業とその能力に直接影響を与える決定が、組織のあらゆる階層において行われている。
『経営の真髄』<上>p.174
ドラッカー教授は、現代社会を知識社会と名づけ、現代の組織を知識組織と呼びました。知識労働と知識労働者というコンセプトを生み出したのものドラッカー教授です。60年以上の前の1950年代末頃のことです。続きを見る…
顧客を創造するために、企業は2つの基本的な機能を果たす。
『経営の真髄』<上>p.170
事業の目的は、顧客価値を創造することにあります。顧客価値を創造するためには、マーケティングとイノベーションという基本的な機能が必要です。続きを見る…
企業とは何かと聞けば、ほとんどの企業人が営利組織と答える。経済学者もそう答える。この答えは間違っているだけでなく的はずれである。
『経営の真髄』<上>p.167
ドラッカー教授は「的はずれ」と強調した「営利」、つまり利益を目的として業を営むこと。
利益は、目的ではなく条件であるといいます。この認識の差は実は大きいのです。利益をあげることを目的とすれば、たとえば法令を犯したり、倫理をないがしろにしたりという行動につながらないとは言い切れません。それが目的だと認識されていることから思考の優先順位が変わってしまうかもしれないのです。続きを見る…